2018年7月18日水曜日

Bao(『インクレディブル・ファミリー』の前に上映される短編)

Incredibles 2(『インクレディブル・ファミリー』)ネタバレなし感想にも書きましたが、本編前のショートについて書いてたら長くなったので分けました。

以下、こちらはネタバレが含まれる部分もあるのでご注意。



"Bao(中華まんのこと)" というタイトルのごとく、中国系キャラ中心のお話。


夫にはこの女性↑が若い男性に見えていて、年取った男性の「息子」だと思い込んだため、「ストーリーが全く見えなかった」と文句を言っておりました…(゚ー゚; どう見ても女性でしょ?!と逆に驚いたんですが、あとで夫のような解釈をして意味がわからなかった人がわりといたことを知りました…(´▽`;)


いかにもアジアな雰囲気なので中国のお話なのかと思ってると、なんか背景に見覚えのあるタワーが見えて、まさか…?と思ったら、やっぱりカナダのトロントで育った(中国系女性の)監督 Domee Shi が、トロントを舞台にして作ったそうです!

つまりあのタワーは、トロント行ったことない私でも知ってるCNタワー

そんな情報も知ってから観た2回目は、別の意味でも楽しめました。

メープルリーフが出てきたり、あちこちにカナダらしさが散りばめられてたんですよね。残念ながら、2回観たくせに今はもう詳細がおぼろげなのですが…。

ちなみに女性がピクサーの短編の監督をしたのは初めてだそうで、それが 若い中国系カナダ人だったっていうのもなんかうれしいです。

というか、アジア人の私には何の説明もいらないほど、ほぼすんなり理解できて感動したんですが、文化の違いのせいか、「意味がわからない」という人もたくさんいた、とあとで知ってビックリしました。

英語ですがWikiのページにあらすじが載っています:
Bao (film)


***以下、ネタバレ***






中国人女性が人間化?した肉まんを赤ちゃんのときからかわいがるものの、成長した肉まんは "母親" より友人との付き合いを優先するようになる。そのうちに金髪の彼女を作った肉まんが家を出て行くのを止めようとした母親は、なんと…肉まんをパクリ!食べてしまうΣ(゚∇゚*)!! 

この「肉まんを食べちゃう」シーンで、最初に行った映画館では観客一同、驚いて息をのみ、ざわわっとしたんですよね。私も夫も息をのんでしまいましたし。

肉まんなんだから食べる行為はヘンではないはずなんだけど、それまで女性が人間のように、というか息子のようにだいじにしていたものだから、衝撃でした。

でも、彼女がどういう思いでそうしてしまったのかは伝わってきました。

過保護なほど大切にしてきた「息子」が言うことをきかず、自分から離れて行ってしまう。手放すくらいなら食べてしまえ、これでもう離れられない。

私はそう理解したんですが(で、実際、後悔に打ちひしがれる母親のところへ、肉まんそっくりの人間の息子が現れ、仲直りする…という流れ)アジア系の人はわりとすんなり受け入れられ、感動した人が多い反面、「何が起こったの?!」っていう反応する人もけっこういたみたい。

ちなみに、2回目を観た映画館はアジア系移民の多い場所柄なのか、満員だったにもかかわらず、例のシーンで息をのむ人がほとんどいませんでした。1回目の映画館の観客は白人が多かったからあの反応だったのかな…。

(夫もアジア系移民ですが、男性だからなのか、それとも北米育ちで中身が欧米化してるせいか…前述のとおり、女性のことを「年取った男性の息子」だと思い込んでしまい、話がさっぱりつかめなかったらしい)

私もひとつ、かんちがいしていた部分もあります。

最初に観たときはお話の舞台が中国だと思い込んでいたため、肉まんが金髪の女性を連れて来たときちょっと混乱しました。

そこは夫曰く、「白人(異なる人種)の恋人を連れて来た」のがアジア系の親にとってはショックなのだ、ということらしい。言われてみれば、私のまわりでも恋人が違う人種だから反対された、という話があったことを思い出しました。

もし中国人の彼女だったらあそこまで反対しなかったんでしょうかね…。

最後に肉まんの皮にあんを詰める作業を家族でする場面で、中国人の息子より白人の彼女の方が上手にできていたのがおもしろかったです。


すごい短編なのに、ながなが書いてしまいました。

肉まんがとってもかわいいし、カナダが舞台、アジア人のお話、ということで、かなり特別なショートとして記憶に残りそうです。あ、それと初の女性監督っていう点でも。


昨日はようやく『オーシャンズ8』を観て来たので、そちらの感想もまた簡単に書きます。

Posted on Wednesday, July 18, 2018

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