2019年8月9日金曜日

13 Reasons Why(13の理由)シーズン1と2を観て

(以下、7/24に書き始めたので、日付についてはその辺りに書いたと思ってください)

2年前に始まった Netflix オリジナルシリーズで、現時点で2シーズン全26話を、ここ1週間ほど(正確に言うと合計5日間)で観てしまいました。

もとは2007年に出版された小説が10年経って映像化されたもの(シーズン1)ですが、やっぱり小説をもとにしたドラマって、原作をこえて続けるとだんだんおかしくなっていくよね…。

『ハンドメイズ・テイル』にも『ビッグ・リトル・ライズ』にも言えること。『ゲームオブスローンズ』は原作が途中で止まってるのでちょっと違うかな?

でも『13の理由』はいちばん「おかしくなった」度合いが大きい気がします。

シーズン1はお話としてちゃんとまとまってたけど、シーズン2は…。

うーむ。


以下、ネタバレを含みます。





ちなみに、2年前に公開されたときからかなり話題だったものの、高校生の女の子がレイプを苦に自殺するお話だと聞いて、重すぎるなあと避けていました。

が、最近のニュースでその自殺シーンが編集され、もっともグラフィックな場面は削除されたと聞いて、じゃあ観ても大丈夫かもと。


観てみたら、うーん。

一応はじめに「もしあなた自身がこのような問題で悩んでいるなら、このドラマは観ない方がいいかもしれません」のような注意があるんだけど↓

『13の理由』 - キャストからのメッセージ:

(↑日本語字幕では字数制限のためか「あなたが被害者の場合は」とあるけど、英語では If you are struggling with these issues と言ってます)


自殺を考えてる10代の子がいたら、こんなこと言われても観るんじゃないかな?

私だったら観る。


お話は、ある意味タイトルどおり。

自殺した女子高生ハナが「13の理由」をカセットテープに残したものを、「理由」とされている高校生たちが聞くのがシーズン1。

シーズン2は逆にハナをめぐる人々の視点が明かされますが、ここではおもにシーズン1の話について書きます。

主人公のクレイだけは「自殺の理由」には当たらないんだけど、彼だけは1本聞いてはハナの足取りをたどったり、「理由」当人を問い詰めたり、時間かけまくり。

なかなか前に進まず、ひとつの理由につき1話かけるので13話もありますが、ちょっと無理あるよね、ふつう気になって一気に聞くんじゃない?13話作りたいから無理やりそうしてる感が…。


正直言って、13話もかけず、2時間の映画にしたらよかったんじゃない?

「自殺シーンを削除した」というニュース記事に、「このシリーズを見始めた時、自殺を考えていた。けど、最後の自殺シーンを見て考えなおした」というコメントをいくつか見かけたんです。

つまり、グラフィックな場面を見せたことで、(おそらく製作者の意図通り)自殺を考えている人を思い留めさせる効果があった。

なのに、それを削除しちゃったんでは、自殺は「しょうがないこと」「選択肢のひとつ」「いじめに対する報復の効果的な手段」に見せてしまってるかもしれないのではと。

でも、そもそもそのシーンに到達するまでに12話も見ないといけない。

自殺を考えてる人がみんな、ぜんぶ見てくれればいいけど、そこに達する前に挫折してしまう人もいるんじゃないかな?

だから、2時間のTV映画でよかったんじゃない?なーんて思ったのでした。


さて、ドラマそのものの感想です。



※以下、重要なネタバレもあります




ごめん、ハナが自殺しなきゃいけなかった理由がわからなかった。

シーズン1を見終わった時点でもそうだったけど、シーズン2を見たらさらに。


どうしても自殺しなきゃいけなかったとして、そういう心境の高校生の女の子としては他の人の気持ちを考える余裕はもちろんないとは思うけど、それでも…

こんなテープを残したのって、報復のため?
あんたたちのせいで私は死ぬんだ、自分たちがやったことを思い知りなさい。
そういう気持ちでテープを作ったわけではなかったと思うんだけど、結果的にそうなってしまったような。

追い詰められた気持ちになってるハナには深く考える余裕はなかったのだろうけど、「自分をいじめた」人たちの秘密を暴露しちゃってる(13人全員に回すつもりでテープを録音してるから)時点で、ハナもけっこうひどいことしてないかな?

実際、たぶんテープを聞いたことがきっかけで、アレックスは頭を銃で撃ち抜いて死のうとしました。アレックスの「罪」っていちばん罪のないことだったと思うのに(なぜ死のうとしたのか、真相はシーズン2で明らかに)。

ジャスティンなんかはいつ死のうとしてもおかしくないほどひどい状況にいたし、かわいそうでハラハラしました。

唯一、ブライスがしたことだけは許しがたい犯罪だし、それはテープに残していて正解だと思ったけど、ジェシカのレイプついては「それをみんなに暴露しちゃう…?」と引っかかりました。関係者だけに話したら十分ではなかったかなあ。

全体的に、(まあ女の子にはありがちなのかもしれないけど)「私の気持ちを汲み取ってほしい」「口に出さなくても察してほしい」みたいなのが目についてしまって、「言わなきゃわかんないよ!!!」とジリジリしちゃったんですよね…。

シーズン2に至っては、もう意味不明。

ハナという人がわからなくなっちゃった。

終わり方がある意味クリフハンガーだったので、どうなるのか気になってシーズン3も見ると思うけども。



最後に、ハナのテープの内容をざっと書き留めておきます:

(もううろ覚えなので、ウィキペディア(英語)を参考にしました)

1-A: ジャスティン(パンチラ写真を広めた)
1-B: ジェシカ(アレックスとの別れをハナのせいにした)
2-A: アレックス(ハナのお尻が校内一、と書いてジェシカとの友情を壊した)
2-B: タイラー(コートニーとのキスの写真を広めた)
3-A: コートニー(写真のことでウソをつき、あらぬウワサを広めた)
3-B: マーカス(バレンタインデートの際のひどい行動)
4-A: ザック(ハナあての「ポジティブなコメント」メモを盗んだ)
4-B: ライアン(ハナの個人的な詩を勝手に校内新聞に掲載)
5-A: ジャスティン(自分の彼女=ジェシカをブライスにレイプさせた)
5-B: シェリー(一時停止の標識をなぎ倒したあと通報せずに逃げた)
6-A: クレイ(ただしクレイのことは責めていない)
6-B: ブライス(ハナをレイプ)
7-A: ポーター先生(助けが必要なハナに何もしなかった)


それにしても、アメリカの高校生活って大変そうだ…。


●Wikipedia へのリンク:
13の理由(テレビドラマ)
13 Reasons Why
Thirteen Reasons Why(原作小説)


Posted on Friday, August 9, 2019

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