この映画が封切られたころ、エミリア・クラークが『エレン』に出演していて興味を持ったのですが、当時語られていた内容についてはすっかり忘れ、単なるロム・コム（ロマンティック・コメディ）かと思って観始めました。
しかし実際は、重たい問題を含んでました。
以下、ネタバレ含みます。
身近な家族・親しい友だちが大きな事故にあったり大病をしたり（闘病中含む）、あるいは大切な人を自殺で亡くした方は、この映画は避けた方がいいかも。
なぜなら、ひとことで言うとこの映画は、
＜以下、ネタバレ全開＞
青春を謳歌していた若者ウィルが不慮の事故に見舞われ、頸髄損傷のため首から下が麻痺してしまい、将来を悲観して安楽死を選ぶ、そういう話だから。
周りの人間（父親と看護師）が「彼の選択だ」と、本人の意思を尊重してとくに反対をしないのが不思議。
母親はもちろん息子に死んでほしくないし、生きる希望を見出してほしくて主人公の26歳の女性、ルイーザ（ルー）を介護人（というか話し相手？）として雇うのですが…
（話がそれるけど、邦題の『世界一キライなあなたに』って、いったいどういうつもりでつけたんだろう。確かにルーは自分を小馬鹿にした態度をとるウィルが最初は苦手だったけど、「世界一キライ」なんて強い嫌悪は抱いていないと思うんですよね。ちなみに原題は「あなたに出会う前の自分」という意味です）
とにかく、そのルーはしだいにウィルにひかれていったのか、ちょっとバカっぽいけど7年も付き合っててルーひとすじの彼氏パトリックとも別れてしまう。
コンサートや旅行など、ウィルに楽しい思いをさせて気を変えてもらおうと必死にあちこち連れ出すルーですが、結局ウィルの意思を変えることはできません。
安楽死させてくれる機関のあるスイスまでついてきてほしいというウィルの願いも断り、怒って家に帰るものの、最後は思い直して付き添うのですが…
この最後の2人のシーンはよかった。
でも、この映画を観た限りでは、ウィルが死を選ばねばならなかった、それしか選択肢がないようには思えなかったのです、私には。
「こんな不自由な自分がいたら、きみから自由を奪うことになる。きみには思いっきり羽ばたいてほしい」などと、いかにもルーのためを思って、みたいなことも言うけれど、最終的には「前の自分に戻れない以上、生きていたくない」というのが本音なのかな。
ものすごくお金持ちで医療費や看護人の心配もいらず、愛情深い両親に囲まれ、愛する恋人にも出会えたけど、それでもだめってことなのね。
もちろん同じ経験をしていない私にはウィルの決断をどうこう言う資格はないけれど、でもなんだか、どうしても安楽死を選ばねばならなかった動機が弱い気がしてしまったのは確か。
原作小説があるので、そちらにはもっと細かくウィルの葛藤など書かれているのかもしれません。
また、ラスト、ウィルがいちばん好きな場所だと語っていたパリのカフェにルーがいるシーンはともかく、そのあとルーがにこにこしながら買い物してるのが…。ウィルがお金を遺してくれていたから、大好きな洋服を買ったってことなのかなあ。学校に行くとか、そういう方向ならもう少し違和感なかったと思うんだけども。
一方、よかった点は…
・ルー（エミリア・クラーク）のファッション！
タイツが黄色だったり青だったりピンクだったりカラフル！それに合わせて靴も髪型もくるくる変わるし、見ていて飽きない。『アメリ』を思い出します。（金銭的に苦しい家庭のはずなのに、かなりの衣装持ちだよね？とは思ったけど。）とくに結婚式シーンの髪型がかわいすぎて思わずテレビ画面を写真に撮っちゃいました。
コンサートのときのドレス↓もかわいかった
（画像をクリックするとアマゾンのページに飛びます）
彼女、演技があまりにオーバーだったのが残念だけど、キュートだったのは間違いない。
・海外ドラマ好きにはたまらないキャスティング！
『ゲームオブスローンズ』のエミリア・クラーク（デナーリス役）とチャールズ・ダンス（タイウィン・ラニスター役）が共演してるのがちょっと笑えるばかりか、『ダウントン・アビー』の大好きなベイツおじさん役、ブレンダン・コイルまで登場してニンマリしちゃいました。
また、『ハリーポッター』シリーズのネビル役だったマシュー・ルイスがルーの恋人パトリック役で出てますが、最初まったく気づかなかった！あいかわらずちょっと道化みたいな役回りでしたが。
ネビルの面影ゼロ↓じゃないですか？
photo taken from Wikipedia under Creative Commons licence
もうひとり、初めて見る顔でしたが看護師のネイサン役の人もよかったです。
ようするに、キャストはなかなかよかったのに、活かしきれてない印象。（あっネガティブに戻っちゃった）
エミリア・クラークの大げさな演技は、彼女の力不足なのか、それとも監督の指示なのか、あるいは両方なのか、わかりませんが、彼女だけでなく、ほかの人たちも（ネイサン以外）なんかね、力を発揮しきれてない感じがしたんです。
駄作だとまでは思わないし、そこまでのめり込めなかったのは、CM飛ばしができなくて盛り上がってくるところでいちいち中断したせいもあるかもしれません。
でもエミリアのファッション観たさに、テレビでやってたらまた観ちゃうかもね(笑)。
Posted on Saturday, February 16, 2019
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世界一キライなあなたに
公式サイト（英語）
Me Before You
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北米発☆TVづくし
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この映画の原作、シリーズというか今のところ三部作になってるようですけど、本国では人気があるんですかね～
返信削除日本では1作目のミービフォアユーきみと選んだ明日(この邦題はニコラススパークス作品の邦題を真似たのかなァ？)の売れ行きが思わしくなかったのか2、3作目は邦訳されてないみたいですが、
この三部作、けっこう高く評価されてるようなので映画化された1作目、読んでみたいなって気持ちはあるんですよ。
ただちょっと厚みのある本なので気後れしてしまうんですけどね。
それにしてもエミリアクラークって、映画の方では何か出演作に恵まれないなぁ～って感じがするんですけど、
この作品もいまひとつ冴えないようですねぇ～
魅力的な女優さんなので、なんとか何かブレークスルーするような作品に出てほしいですよねー
じゃとむさん、コメントありがとうございます！
削除じゃとむさんのコメントで初めて、原作が三部作であること、そして１作目の邦題が『きみと選んだ明日』だということを知りました。（その邦題、映画の邦題よりさらに内容からかけ離れてないか？って感じですが）
小説のほうは知りませんが、映画のほうは賛否両論で、けっこうバッシングもあったみたいなので、そんな事情もあるのかなあ？２・３作めの邦訳が出てないのは。関係ないかな？
エミリアクラークと言えば、じつはようやっと、この週末にネットフリックスでソロを見たんですよ！！！感想またアップしたいのですが（そう言ってる映画がほかにごまんとあるので断言できませんが）、これは彼女もなかなかよかったと思います〜。
彼女の魅力、この『世界一〜』でも存分に発揮されてますよ、めちゃくちゃキュート、という点では＾＾ 演技は評価できないですが(-_-;