『マンダロリアン』にも声の出演やエピソード監督として参加のタイカ・ワイティティが脚本・監督した『ジョジョ・ラビット』、前から気になってて、ようやく観ました。
(*この記事は1月22日の日付で下書きに入ったままになってました)
※「ジョジョ」という名前のうさぎの話ではなく、戦時中のドイツの話です。
ちょっと期待が大きすぎたのか、そこまでハマれはしなかったけど、ふつうにおもしろかったです。
こちら、大好きなスティーブン・マーチャントが登場する動画を貼っておきます↓
豪華キャスト陣のコメント満載!『ジョジョ・ラビット』特別映像
動画のタイトルに「豪華キャスト陣」とあるように、カメオ程度の人もいるけどほんと豪華!しかも国際色豊かで、アメリカ映画のはずだけどアメリカ人は主要キャストに2人しかいません。
●タイカ・ワイティティ(NZ 🇳🇿)
●スカーレット・ヨハンソン(アメリカ🇺🇸)
●サム・ロックウェル(アメリカ🇺🇸)
●レベル・ウィルソン(オーストラリア🇦🇺)
●アルフィー・アレン(イギリス🇬🇧)
↑『ゲーム・オブ・スローンズ』のシオン役だった人ですが、夫は全然気づいてなかった…そんなに面変わりしたかな?
●スティーブン・マーチャント(イギリス🇬🇧)
ほかに、
ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスはイギリス人🇬🇧
エルサ役のトマシン・マッケンジーはニュージーランド人🇳🇿
(そう、ジョジョっていうのは人間の男の子の名前です!)
さて、映画を観て思ったことをだらだら書きます。
ネタバレ含みますのでご注意。
私がこれまで観たことのある戦時中のお話と決定的にちがうのは、ナチスに焦点があてられ、なんと主人公の男の子自身が熱烈なヒトラー信奉者という点。
タイトルのジョジョ・ラビットというのはナチスの少年キャンプで「うさぎを殺せ」と命じられても殺せなかったため、からかいと罵倒を込めてつけられたアダ名だった、というあたりはダークです。
しかし、大人のナチでもサム・ロックウェル扮するクレンツェンドルフ大尉はのんき&コミカルな雰囲気だし、彼を筆頭にナチスはアホ全開の集団として描かれています。
タイカ監督も話しているとおり。↓
「ジョジョ・ラビット」は「ナチスと戦争の馬鹿馬鹿しさ」描く 実写版「AKIRA」にも言及
戦時中の話にかかわらず全体的に軽めの、どちらか言うとファンタジー風味なメルヘンというか、『アメリ』をほうふつとさせる雰囲気で、ヒトラーまでちょっと愛嬌があってかわいらしい感じ(まあジョジョ少年の想像の産物だしね)。
ユダヤ人に関するバカバカしいウソを鵜呑みにしているジョジョの姿を観ていて、ふと「ジョジョやヨーキーみたいに子どものころから洗脳?されていなければ、この子たちはナチスにならなかったのかも」という考えがよぎりました。
実際、ユダヤ人は人間ではないと思い込んでいるようなジョジョでさえ、しだいにユダヤ人のエルサに心ひかれていくんですから。
ちょっと気持ちの明るくなる、ふわっとしたハッピーエンドだったのが救いですが、戦争が終わったあと、エルサにうそをつくシーンはちょっといただけなかったかな…。
(その展開になった理由はあとで調べてわかりました)
あと、スカーレット・ヨハンソンが変ななまりで話すのがわざとらしくて、どうしても『サタデー・ナイト・ライブ』のスキットを観ているような気持ちになってしまい、まじめに受け取れなかった…。なのにオスカーやBAFTA、SAGAなどにノミネートされててビックリ。
助演女優賞なら、エルサ役の女の子のほうがふさわしいのでは?と思ってしまいました。
いちばん好きだったのは、やっぱりスティーブン・マーチャント。彼が出てくるだけで笑ってしまう、味のある人だなあとしみじみ。少ししか出番はないですけどね。
<原作とのちがい>
タイカ監督インタビュー動画の中でも言及されていますが、これは彼の創作ではなく、原作 "Caging Skies" があります。
小説ではジョジョは最初、両親と祖母といっしょに暮らしているとか、映画のようなユーモアがないとか、舞台はドイツではなくオーストリアだとか、こちらのサイトに詳しく書かれています:
‘Jojo Rabbit’ is One of the Strangest Adaptations Ever – Here’s How It Differs From the Book
原作者は「小説は私のものだけど、映画はあなたのものにしなきゃダメよ」とタイカにはっきり伝えていたと言っているので、変更については文句はなかったってことかな?
The writer of the book that inspired Jojo Rabbit
いちばんの違いは、映画は本の半分くらいのところで終わっているらしい点。
映画では数ヶ月?のあいだに起こったできごとのように描かれているけど、原作は数年にわたるお話であり、ジョジョは若い青年へと成長していくそう。
そして映画は戦争が終わるのとほぼ同時に終わりますが、本ではなんと、4年間もウソをつき続け、真実が明らかになるとエルサはジョジョのもとを去ったのだとかΣ(゚∇゚*)!!
わあああ、くらい!!!
どうりでタイカさんが「原作はかなりダーク」と言ってたはずだ。
原作者のリクエストどおり、タイカさん思いっきりちがう話にしてくれましたね。
本と映画はまったく別物と考えたほうがよさそうです。
でも読んでみたいかも。いつか。
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