2017年12月8日金曜日

Top of the Lake: China Girl(『トップ・オブ・ザ・レイク』シーズン2)

ジェーン・カンピオン監督・エリザベス・モス主演のミニシリーズ『トップ・オブ・ザ・レイク』のシーズン2がカナダの CBC で放映されると知って、録画だけしておいた私。

画像はFacebookより

(アメリカでは9月からサンダンスTVで放映され、今は hulu で見られるらしい)

シーズン1を観てから観ようと思ってたけど、DVRがいっぱいになってきたので、シーズン1未見のまま、昨日一気見してしまいました。


ちょっとググってみたら「シーズン1を観てなくても大丈夫」と書いてあるサイトがあったので、1シーズンで一応お話が解決するようになってるのかなと思ったわけです。

実際、ところどころ疑問点はあるものの、シーズン2だけでもなんとかついていけました。

途中さすがにちょっとダレて携帯見てたり、洗濯ものしながらだったりしたので、見逃してる場面もあると思うけど、だいたいのお話がわかればいいやという感じ。

以下、ネタバレあります。






<ざっくりあらすじ(ネタバレ満載)


ロビン(エリザベス・モス)は、35歳だけどまだ新米っぽい?巡査のミランダを伴い、海辺で発見されたスーツケース入り死体の捜査にあたる。遺体は妊娠していたが、胎児のDNA検査をすると、本人のDNAと一致しないことが判明し、違法な代理母だった疑いが。

捜査を進めるうちに、意外なつながりが浮かび上がって来る…。

ひとつはロビンが高校生のころにレイプされて妊娠し、出産後すぐに養子に出した娘のメアリー(17歳)が、ロビンの捜査したアジア系の娼婦ばかりいる娼館のひとつに出入りしていたこと。メアリーはそこに住む40代の男アレクサンダー(通称「プス」)と付き合っていた。

その娼館では違法な代理母のあっせんもしていて、なんとミランダと部長刑事エイドリアンの不倫カップルも、その違法代理母を利用して赤ちゃんを授かっていた(!)。スーツケースの中の遺体は自分の赤ちゃんを妊娠している代理母ではないかとパニクる場面も。

なお、メアリーの養父母は別居状態にあり、養母(ニコール・キッドマン)は同性愛に目覚めて女性の恋人と同居中。そのせいか、メアリーは養母に対して反抗的で、危機に陥った時ロビンに連絡する。

その危機とは、自分のお気に入りの娼婦シナモンがプスに殺されたと信じる青年が銃を手に娼館にやってきたこと。犯人は2人を殺傷し、メアリーを誘拐して海岸へ行き、砂浜に身をかくす。

メアリーは(どういう経緯でかわからないけど)自宅にぶじ戻るが、結局はプスのもとへ戻ってしまう。一方、砂浜を捜索中のミランダは犯人を発見するが、その直後に腹部を撃たれて重体に。

プスとメアリーは代理母としてクライアントの子どもを身ごもった女性たちを連れ出し、世話を焼きながら空港へ行くが、そこでメアリーは我に返って飛行機には乗らず、自宅に戻る。


予告編↑



<感想>


しょうもない感想から書くと、女っぽくもないロビンがなぜにそんなにモテるのか謎でした。

ショートカットに地味な服装で、どちらか言うとボーイッシュ風味かつ陰気な彼女が、出会う男性すべてに声かけられてる感じなのが意味不明。

ちっちゃくてかわいいけど、男性にモテるタイプには見えないんだよねえ。

とは言っても、最終的にベッドインしてしまう相手以外は「誘うんじゃねえ!」と(ロビンが)ぶん殴ってやりたいヤツばかりでしたが…てか実際、ものすごい殺し合い(?)になってしまったおじさんがいたけど、あれはなに?夢だったの?と思うほど、そのあとケロっとしてたのも不可解。


しかし最大の謎は、

メアリーちゃん、いったいアレクサンダーおじさん(プス)のどこを見て好きになったの?!

という点。

麻薬中毒にしか見えないうさんくさい風貌、かつ25歳(?)年上ってだけでもドン引きだけど、メアリーを娼婦として働かせようとした時点で「今度こそ目を覚ますかな?」と思ったら、素直に客引きをしようと通りに立ってしまう…!

25歳の年の差でも、大人同士だったらアリだと思うけど、17歳と42歳は犯罪では…。

メアリーが空港でわれに返ったきっかけとなったプスの態度や言葉は、そもそも直前のロビンとの会話に由来するので、ロビンの功績と言えなくもないかも。

「あんただって代理母じゃないか」と吐いたプスの言葉に逆上したロビンが、「メアリーはあんたのことなんて愛していない。怖がってるのよ」とプスを追いつめたのです。

自分の言葉にしたがって街角に娼婦として立つほど自分を崇拝しているのに、そんな言葉ひとつで不安になるんですかねぇ…。

なんにせよ、プスとメアリーがいちゃいちゃするたびに気持ち悪くてしかたなかったので、別れられてめでたしめでたし〜!

ただ、ほんとうにプスはどうしようもない男なのか、あるいはメアリーが何度も主張していたように実はすごく心のやさしい男だけど表し方がふつうじゃないのか、そこのところはちょっぴりだけ疑問が残ります。

メアリーもバカじゃないはずなので、そこまで彼を信じられたのには何か根拠があったりするんだろうか…?ただナイーブすぎて、丸め込められただけなのかもしれませんが。



それにしても、親子ほど年の離れた男とからむ役を実の娘(アリス・イングラート)にキャストしたジェーン・カンピオンって、鬼母なの?(´▽`;)

エミー賞あげたいほど上手だったので、すばらしいキャスティングだったと思いますが、自分がもし監督だったら、実の娘にはこんな役させられないなあ…。

ところで、このメアリー役の女の子に「見覚えがある」と思い込んで調べてみたら、彼女の出演作はひとつも観ていないことが判明。

それでも「うーん、だれかにそっくりだ…」と一生懸命考えながら観てたら、なんとその「そっくりさん」がメアリーのクラスメートとして登場して笑った!!!

その彼女、リヴ・ヒューソンを初めて観たのはネットフリックスの『サンタクラリータ・ダイエット』↓


Santa Clarita Diet | Official Trailer [HD] | Netflix

このあと『インヒューマンズ』でもちらっと見かけて、完全にアメリカ人だと思い込んでたら、じつはオーストラリア人だったのね。

完全なる余談ですが、撮影地がオーストラリアなので、オーストラリア人俳優が多いんですね。

主役のロビンを演じるエリザベス・モスはアメリカ人、ミランダ役のグウェンドリン・クリスティー(『ゲーム・オブ・スローンズ』のブリエン!)はイギリス人、ドイツ人のアレクサンダー役のデイビッド・デンシックはスウェーデン人(笑)だけど、それ以外のメインキャストはほとんどオーストラリア人。

ただし、「タイ人」のはずの娼館の女の子たちは何人かわかりません…。女優さんの名前を見るとタイ人というよりベトナム人っぽいけど、どうだろう。

もしベトナム人ばかりだとしたら、タイトルが「チャイナガール」で実際は「タイ人」のはずの役を「ベトナム人」が演じていることに。


ちなみになぜ「チャイナガール」というタイトルかと言うと、



スーツケースに入っていた遺体の髪がアジア系のものっぽかったので、「チャイナガール」というケースネームをつけただけの話(バタッ!)。



(以下重大なネタバレ)



この遺体、スーツケースに入っていただけでなく、顔がつぶれていて首をしめたあとがあったことなどから「殺人事件」として捜査されてましたが、


な、なんと、


(アレクサンダー/プスの言葉を信じれば)



首つり自殺だったと言う…。




つまり、娼館の3人(ブーティ、ダング、プス)は殺人者ではなかったってことなんですね。

なんか拍子抜けしました。

シナモンに入れ込んでいた 大学生の男の子ブレットが「復讐のため」?ライフルを娼館に持ち込んで ブーティを射殺し(そのあとなぜ遺体が動かされていたのかは謎のまま)、タクシー運転手も撃ったっていうのに、自殺だったなんて。

てかブレットって、シナモンの幻影を見たりするのでどこかヘンだとは思ってたけど、おとなしくてシャイそうだったのがいきなり殺人鬼(?)になって関係ない人を撃ったり誘拐してしまったりするのは解せませんでした。

ブレットがミランダまでも撃ったときは衝撃でした…結局、彼女は助かるのかどうか、わからないまま終わってしまったのも残念。

このミランダも、二重人格かと思うほど、ロビンになついてたかと思うと金切り声を上げてみたり、エイドリアンを愛してると言いつつロビンの弟とも仲良かったり、うーん不思議なキャラでした。警官なのに違法の代理母を雇うのもどうかと思うし、そもそも不倫関係の2人が代理母ってムリがあるんじゃ?

でも助かっていてほしいです!ロビンとのでこぼこコンビをもっと見たいです!


なお、ウィキによればアメリカでは6回の放送だったみたいだけど、カナダでは全7話として放映されました。ときどき「えっ」と驚くほど唐突な終わり方をしてたのはそのせい?…と思ったら、最後の2話がアメリカでは2時間放映だったみたいですね。

ところでシーズン3はあるんでしょうか。あるんだったら、ぜひミランダの命が助かったことにして、ロビンとのコンビを継続させてほしいです。

Posted on Friday, December 8, 2017

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2 件のコメント:

  1. 日本でやっと放映されて、見ました。
    最後のエピソードがなぜか20分しか録画されていなく結末が気になって仕方がありませんでした。
    とっても面白く読ませていただきました!ありがとうございます!

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    1. カレンさん、コメントありがとうございます!
      日本でも放映されたんですね〜。
      おもしろく読んでいただいてうれしいです^^
      励みになりました!

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